2009年05月15日

いよいよ始まる? 出版業界の仁義なき…


 マーケティングの世界では古くから「フロントエンド」「バックエンド」という考え方がある。かいつまんで言うと「フロントエンド商品」(=無料、もしくは格安商品)で見込み客をかき集めてリストを構築し、あとからおっとり刀で「バックエンド商品」(=主力商品、より高額な商品)を売るということだ。

 分かりやすい例で言うと、平日昼間のTVショッピングで見かける「高枝切りばさみ」だ。これ売ってるところは、これだけで商売にしようなんてさらさら考えちゃいない。これを買う人というのは、まあ最低でも一戸建てに住み、庭があって木が植えてあって、その手入れをするような人なのだが、つまり、ある程度裕福で余裕がある層なわけだ。
 
 だから「高枝切りばさみ」という「フロントエンド」でリストを取ったら、次に「ところでこんなのいかが?」と、家周りのより高額な商品などをDMなどで売って利益を取ってウマーという実に単純なからくりだ。
 
 で、これなんだが

☆ブックオフ株3割取得 出版不況背景に講談社、小学館、集英社など(2008.5.13 iza)
 大日本印刷グループと、講談社、小学館、集英社の大手出版3社は13日、中古本販売のブックオフコーポレーションの株式計約31%(議決権ベース)を、筆頭株主の日本政策投資銀行系のファンドなどから取得すると発表した。出版不況の中、消費者の間で定着した中古本市場を取り込み、新刊本の販路活用や、店舗のノウハウ取得などを探るとみられる。


 そもそも、出版業界は新聞と同じく、再販価格維持制度の「再販指定」に守られてきた特殊な業界だ。これに、トーハン、日販をはじめとする出版取次との約定に縛られた「委託販売」が絡み、とてつもなく複雑な商慣行が当たり前でもある。

 そこへ登場したブックオフは当初、伝統的な出版業界にとっては自らの商圏を犯す敵とみなされた。新刊本を買った人が読み終わったらブックオフに持ち込み、それを買っていく人がいるということは、単純に言えば新刊本の売り上げが落ちるということにつながるからだ。しかも、ここ数年はヤフオクやアマゾンマーケットプレイスに出品するための仕入れ先としてブックオフが利用されている状況を苦々しい思いで見ていた。

 一方で出版業界にとって悩ましいのは、もう一つの敵、公正取引委員会の存在だ。出版業界と公取は昭和の終わりころから「再販指定」をめぐって激しい攻防を繰り広げてきているのだが、出版業界の心ある人は近い将来に再販指定が解除されることを覚悟しているはずだ。「出版文化の維持継続のためには再販は絶対必要」と表向きは言いながら、ひそかに解除に備えていることは間違いない。

 今回のブックオフ株取得の背景には、対公取の問題もあるとみるのはうがちすぎだろうか。もし再販指定が解除されたと仮定してブックオフを眺めてみると、その店舗網は新刊の配本先として魅力的に映るはずだ。問題は価格だが、ここで先に言った「フロントエンド」「バックエンド」の法則を当てはめてみると面白い展開になると思う。

 具体的にいくつかアイデアが浮かんできたが、ここでは書かない。
 
 自分で考えてください。




posted by じんちゃむ at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 企業活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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